高橋研究室:東京工業大学 工学院 機械系

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研究内容
RESEACH

これまでの研究テーマ(現在も継続)

  1. ゼロカーボンエネルギー利用の安全性向上と高度化を目指した熱流動研究や原子力施設廃止措置、廃棄物処理・処分、除染等に関する研究
  2. センシング技術研究、未利用資源活用技術研究および再生可能エネルギーの地産地消技術研究

農林業の現状と課題

我が国の食料安全保障を考えたとき、自国の農業資源確保は食料安全保障の要であり、生産者の減少・高齢化による人手不足といわれる日本の農業生産現場は、依然として人手に頼る作業や熟練者でなければできない作業が多く、新型コロナウイルス感染拡大の長期化に伴うサプライチェーンの混乱も相まって、人手の確保、負担の軽減を図ることが生産現場の課題となっています。

また、我が国の林業は戦後の拡大造林政策が功を奏して世界でも有数の森林率の国となりましたが、国民の生活環境の変化や海外木材の輸入自由化に伴い衰退してきたといわれています。当時造林した森林は成熟期を迎えており、国土保全・防災の観点から、未来のためには早々に伐採・利用・植林の適切な循環を構築する必要があります。しかしながら、木の伐採作業は今でも産業界屈指の死亡率を誇る熟練を要する危険な作業といわれており、農業同様に生産者の減少・高齢化による人手不足もあり、人手の確保、負担の軽減を図ることが生産現場の課題となっています。

ここで、最新のスマート技術を導入することは重要ではありますが、日本の農林業の実情を踏まえ、既存インフラやノウハウが有効に使えて、安価なコストでスマート化できる技術が望ましいとされています。また、日本固有の中小規模ともいえる農林業における中山間地域の地の理・既存インフラと生活基盤を鑑みて、スマート技術の社会実装とデジタル化、再生可能エネルギーによる地産地消と農林業化を推進することが重要となります。

現在、注力している研究テーマ

「農林業の課題解決と超スマート社会実装を工学知から探求」
~スマート農業・林業フィールド研究推進~

日本の農林業を持続的に発展させるためには、日本固有の中小規模ともいえる農林業における中山間地域の地の理・既存インフラと生活基盤を鑑みて、スマート技術の社会実装とデジタル化、再生可能エネルギーによる地産地消と農林業化を推進することで課題を解決することが重要であると考えています。
そこで、高橋研究室では、これまでに確立してきた技術をスマート技術として発展させて、安心・安全・快適な社会を実現する工学と人類の調和を目指して、工学学術基盤とスマート技術を融合させた農林業(「スマート農業・林業工学」)を学術研究分野として構築し、農林業の課題解決と社会実装を大学の工学として研究しています。

具体的には、スマート農業・林業を支える自律作業可能な機械システムの構築を目的に、リモートセンシング・ロボット技術、環境回復・未利用資源活用技術、ゼロカーボンエネルギー、太陽光追尾型発電システムを利用したその場電源供給による統合化技術等に関する研究や社会実装を推進しています。加えて、実験室での研究と併行して、神奈川県すずかけ台キャンパス学内実証実験の場(スマート農業教育研究フィールド)を最大限活用し、スマート農業・林業研究を行っています。また、既有の福島県施設等をスマート農業研究に有効活用していきます。

さらには、IoT・ロボット技術等を駆使してスマート農林業研究を推進し、生産現場の課題を先端技術で解決する超スマート社会(Society 5.0)の実現へ向けて、農業の脱炭素化技術開発、スマート農業の実現を実行しつつ、生産者から消費者に至るend to end のフードチェーン全体のデジタル統合を進めたビジネスモデルへの貢献に挑戦・躍進します。

現在の高橋研究室の主要研究テーマは下記3つです。

  1. 超音波・レーザー・カメラ等のセンシング技術とロボット技術を活用したリモートセンシング技術ならびにロボット制御システムに関する研究
  2. 汚染土壌・植物からの汚染物質除去,未利用資源回収技術に関する研究
  3. 太陽光追尾型発電システム開発等のゼロカーボンエネルギー研究

今後取り組んでいきたい研究

  1. 多変量解析と次世代コンピューティングに基づく植物生育モデル構築と育成フィードバック
  2. 超スマートフードチェーン構築

スマート農業・林業を支える自律作業可能な機械システムのコンセプトイメージ

太陽光追尾型発電システムを活用したスマート農業システムのコンセプトイメージ

スマート林業研究のコンセプトイメージ

スマート林業研究のコンセプトイメージ

復興学活動 (木倉研究室等と共同)

リモートロボットセンシング技術 (遠藤研究室・木倉研究室と共同研究開発)

超音波・レーザー・カメラ等のセンシング技術 (木倉研究室と共同研究開発)

ロボット技術 (木倉研究室・遠藤研究室と共同研究開発)

ロボット技術

環境汚染

汚染土壌・植物からの汚染物質除去技術

太陽光追尾型発電システム開発の例
    (すずかけ台、スマート農業教育研究フィールド、木倉研究室、トレスバイオ研究所と共同開発)